
Saleforceの効果的な利用方法とは?流れから注意点まで徹底解説
Salesforceを使いこなすことによって、社内のマーケティングと営業との連携が強まり、より効率的に営業活動を行うことができます。「3つの領域」ごとのSalesforceの活用方法と、効果的な営業フローの設計方法を解説します。
目次[非表示]
- 1.リード獲得から契約までの流れ
- 1.1.1.マーケティング領域
- 1.2.2.インサイドセールス領域
- 1.3.3.フィールドセールス領域
- 2.各領域の流れの詳細について
- 3.マーケティング領域
- 3.1.1.複数のコンバージョンポイントを準備する
- 3.2.2.取得するフォームの項目を決める
- 3.3.3.リードオブジェクトの項目を設計する
- 3.3.1.3.1.フォームで取得した顧客情報を確認できるようにする
- 3.3.2.3.2.キャンペーン情報で顧客の関心事を可視化
- 3.4.4.インサイドセールスから定量・定性情報をキャッチアップ
- 3.5.5.その他の施策
- 3.5.1.5.1.セミナー終了後のアンケート結果から分析
- 3.6.5.2.日程調整ツールを埋め込みブッキング・アポイントに直行
- 4.インサイドセールス領域
- 4.1.1.リードのランク付け、商談設定の条件を決める
- 4.1.1.1.1.リードステータス定義とは?
- 4.1.2.1.2.アポイント設定の基準
- 4.2.2.架電対象の優先順位を決める
- 4.3.3.リードオブジェクトの項目を設計
- 4.4.3.1.必ず揃えたい!リード管理のための項目とは
- 4.5.3.2.確認漏れがないようヒアリング項目をリスト化
- 4.6.3.3.salesforceに全ての項目をリアルタイムで入力することを徹底!
- 5.4.架電
- 5.0.1.4.1.営業トークの台本、トークスクリプトを作成
- 6.5.リードリサイクル
- 7.6.架電状況の把握と改善
- 7.1.6.1.コネクト率、アポ率が低い場合
- 7.2.7.マーケティング部へ定量・定性情報をフィードバック
- 7.2.1.7.1.定例ミーティングの実施
- 7.2.2.7.2.リード獲得数〜営業数値をまとめたレポートの作成
- 8.フィールドセールス領域
- 8.1.1.ヨミ定義を決める
- 8.2.2.商談オブジェクト項目を設計
- 8.2.1.2.1.必ず揃えたい「商談情報の項目」とは
- 8.2.2.2.3.商談内容の記録と活動履歴
- 8.3.3.salesforce運用の徹底!
- 8.4.4.ダッシュボードやレポートを活用
- 9.まとめ
Salesforceとは、クラウドベースの営業支援(SFA)&顧客管理(CRM)システムです。
顧客管理だけでなく、レポートやダッシュボードといった機能を使うことで、社内でのフィードバックや情報共有もスムーズかつ明確に行うことができます。
しかし、その豊富な機能を、十分に活かしきれていない……と感じている企業もあるのではないでしょうか。
Salesforceを活用して、効果的な営業フローを設計する方法をご紹介します。
リード獲得から契約までの流れ
リード獲得から契約までの流れを、3つの領域に分けて、それぞれのSalesforceの活用方法を詳しく解説していきます。
- マーケティング領域
- インサイドセールス領域
- フィールドセールス領域
まずは3つの領域の業務内容を簡単にご説明します。
1.マーケティング領域
サイト、広告、外部媒体といったリードソースからリードを獲得するのがマーケティング領域です。
2.インサイドセールス領域
マーケティングが獲得したリードに対して、架電などのアプローチを行い商談設定を目指すのがインサイドセールス領域です。
3.フィールドセールス領域
インサイドセールスが設定した商談を実際に行うのがフィールドセールス領域です。この領域で失注してしまった顧客も、MAツールでのリードリサイクル対象となります。
各領域の流れの詳細について
3つの領域が単独で行動するのではなく、双方向に連携をすることが大切です。
連携する際に、使用するレポートのフォーマットが揃っていなかったり、顧客情報に素早くアクセスできないといった問題をSalesforceが解決します。
そのためには、Salesforceが持つ機能を正しく理解し、運用することが第一です。
それぞれの領域でのSalesforce活用方法を徹底解説いたします。
まずはマーケティング領域です。
マーケティング領域
まずは、新規リードを獲得するマーケティング領域におけるSalesforceの活用方法を、手順ごとにご紹介いたします。
手順は以下の5つのステップです。
- 複数のコンバージョンポイントを準備する
- 取得するフォームの項目を決める
- リードオブジェクトの項目を設計する
- インサイドセールスから定量・定性情報をキャッチアップ
- その他の施策
1.複数のコンバージョンポイントを準備する
リード獲得に必要な施策は
- 流入を増やす施策
- CVRを改善する施策
この2つだけです。
流入がほとんどない場合は、広告などで流入を確保するところから始めます。
すでに一定の流入がある場合は、コンバージョンポイントを増やすなどのCVR改善施策に取り組んでいきましょう。
2.取得するフォームの項目を決める
顧客が入力する、フォームの項目を決めていきます。
フォーム項目の内容は、営業優先度の決定につながる重要な情報です。営業から欲しい情報をヒアリングし、その後のアプローチを常に意識して項目を設定しましょう。
3.リードオブジェクトの項目を設計する
リードオブジェクトの項目を設計するため、まず揃えるべき項目の種類は以下の5つです。
- フォームで取得した顧客情報(例:会社名・氏名・連絡先・従業員規模など)
- リード管理項目(例:リードステータスやネクストアクションなど)
- インサイドヒアリング情報(例:予算・タイミング・課題など)
- 活動履歴(例:通話/不在、サービスの紹介ができたか など)
- キャンペーン情報(例:2021年11月にサービス紹介資料をDL済 など)
この中の、1、2について詳しく解説いたします。
2、3、4は、後述のインサイドセールス領域で詳しく触れていきます。
3.1.フォームで取得した顧客情報を確認できるようにする
「リードの詳細」から、フォームで取得した顧客情報を確認できるようにします。
① リードソース
「セミナー」や「ホワイトペーパー」などの、リードの獲得元です。複数コンバージョンした場合は最新のリードソースが表示されます。
② 連絡先の情報
フォームで取得した、架電やメールの際に必要になる顧客の連絡先の情報です。
インサイドセールスが架電を行う際、顧客のサイトを見て事業内容などのインプットをすることがあります。その際にメールのドメイン名がわかっているとすぐに検索することができます。
③ 属性情報や任意項目の情報
フォームで取得した、連絡先以外の情報です。例えば、BtoB・従業員規模・抱えている課題などの属性情報や、任意項目の内容が記載されています。
インサイドセールスが営業優先度を決める基準や、架電する際のフックとして活用できます。
3.2.キャンペーン情報で顧客の関心事を可視化
キャンペーン情報によって、顧客が何に関心を持っているのかを可視化することができます。
① キャンペーン名
どの施策にコンバージョンしたかがリスト化されています。
資料DLやセミナー申し込みの履歴だけでなく、重要ページの閲覧履歴も残すことができます。
②メンバー追加日
コンバージョンした日付情報です。
顧客が毎回「自分がいつコンバージョンしたか」を記憶しているとは限りません。提案の時系列を合わせたり、インサイドセールスが架電をするときの会話のフックとしても活用できます。
4.インサイドセールスから定量・定性情報をキャッチアップ
定例ミーティングを実施し、インサイドセールスとの情報共有を行いましょう。
リードの数が足りない・質が低いと感じているのであれば、そう感じる理由とどのような解決策が考えられるかをインサイドセールスチームと共有します。
具体的な意見をもらうことで、次の打ち手の意思決定を変えられることがベストです。定例ミーティングは月1〜2日位の頻度で開催してみましょう。
注意点は、マーケチームとインサイドチームで数値を確認するレポートを揃えることです。
せっかくミーティングを行っても、そもそもの見ている数値が違っていては議論が噛み合わなくなってしまいます。
5.その他の施策
そのほかの施策としては、セミナー終了後のアンケート結果からアクションを決める
日程調整ツールを活用してアポイントに直行させるなどが挙げられます。
5.1.セミナー終了後のアンケート結果から分析
セミナーに参加する顧客の課題感は、顧客によって異なります。必ずしも全員がサービスなどを検討しているわけではないので、セミナー終了後のアンケート結果で興味度合いを分析し、それに応じて架電を行いましょう。
例えば、アンケートで「詳しい説明を聞きたい」と答えた参加者は、アポ率が高くなるためすぐに架電をすべきだとわかります。
ウェビナーでもセミナーでも、終わった後に時間が経つほど興味が冷めてしまうので、架電の判断はスピード感が重要です。
5.2.日程調整ツールを埋め込みブッキング・アポイントに直行
- 問い合わせ
- 見積もり依頼
- サービス紹介資料のDL
これらのアクションがあった顧客は検討度合いが高く、自ら商談を希望する人もいます。
その場合はインサイドセールスが日程調整をするような工程を踏まず、サンクスページに日程調整ツール(例:youcanbookmeなど)を埋め込み、即時アポイントへつなげるという方法も有効です。
インサイドセールス領域
続いて、インサイドセールスの領域です。主にリード獲得後の対応から商談設定までがインサイドセールスが担当する範囲です。
手順を以下の7つのステップで解説します。
- リードのランク付け、商談設定の条件を決める
- 架電対象の優先順位を決める
- リードオブジェクトの項目を設計
- 架電
- リードリサイクル
- 架電状況の把握と改善
- マーケティング部へ定量・定性情報をフィードバック
1.リードのランク付け、商談設定の条件を決める
獲得したリードを整理するため、Yes/Noチャートを作成し、リードのランク付けを行います。
商談化から対象外まで、リードの状態をカテゴライズしましょう。これによって、リードを組織的に管理することができます。
このカテゴリ項目を「リードステータス定義」と言います。
1.1.リードステータス定義とは?
リードステータス定義の詳細は以下の表を参考にしてください。
ステータス名 |
定義 |
ケース例 |
新規 |
新規リードに登録されたもの。営業が未アクション。 |
・過去にCV履歴があっても、新規CVした |
未コネクト |
コールしたが、まだ担当者に繋がっていないもの。 |
・不在 ・受付担当とは会話ができたが本人にはつながってない |
評価中 |
担当者と繋がり、もう一度架電の約束をしているもの。日時も決めている場合も、決めていない場合も含む。 |
・ヒアリング途中 ・コネクトしたが会議中、移動中だった |
対象外 |
アプローチ対象外のもの。
(ニーズが全く確認できないものも含む)
|
・連絡先が間違っている(検索しても出てこない) ・連絡してこないでくれと言われた ・リードの会社名、名前がおかしい場合 (”テスト”、”あああああ”等) ・問い合わせニーズ違い(既存顧客) ・ターゲット外 |
必要数アプローチ済 |
電話、メール、電話、メール、電話を繰り返したものの連絡がつかないもの。一度架電対象から外す。 |
|
3ヶ月提案なし |
・ニーズは確認できたが、3ヶ月は検討できない。 ・今はまだ何もできないが、今後ありえるかもしれない。向こう3ヶ月は状況が変わらなそうなのでひとまず架電対象からは外す。 |
・ほとんど相手してもらえなかったもの。 ・ ヒアリングできずターゲット外か判断できないが、状況が変わったら再度アプローチできるかもしれない ・営業電話お断りされた場合「そういうのは間に合ってます」「今はツール検討していない」 ・口頭で商品紹介するも「興味無し」と言われた場合 |
育成中 |
サービスで解決できる課題を抱えており、かつ、サービスを検討できるタイミングが3ヶ月以内の場合。 |
|
日程調整中 |
タイミング・ニーズ・予算が合っており、3ヶ月以内にサービスの導入を検討できる状態で、アポイントを口頭で約束しているが、日程調整中のもの。 |
|
商談化 |
アポイント取得。タイミング・ニーズ・予算が合っており、3ヶ月以内にサービスの導入を検討できる状態。 |
1.2.アポイント設定の基準
リードステータス定義でカテゴライズできたら、続いてアポイント(商談化)設定の基準を決めます。
アポイント設定の基準は以下の「BANT」で定められます。
条件 |
例 |
Budget(予算) |
・年間●●万円の予算が捻出できる可能性があることを確認できている。 |
Authority(決裁権) |
・決裁権を持つ担当者である ・会社として課題解決の意思がある。(個人の情報収集ではない) |
Needs(ニーズ) |
・サービスで解決できる課題があり、サービスに興味を持ってもらえている |
Time frame(導入時期) |
・具体的なサービス導入時期が決まっている ・3ヶ月以内に導入する可能性がある |
インサイドセールスで重要なのは、BANT条件のうち「N(ニーズ)」と「T(導入時期)」を顧客と合わせていくためのコミュニケーションを行うことです。
2.架電対象の優先順位を決める
既存顧客からのルート営業や展示会で獲得したリードが豊富にあると、ついそちらを優先してしまい、webサイト経由の問い合わせ対応を後回しにしてしまうというケースがあります。
リードソースや獲得した順番で架電をしていくのではなく、検討確度が高いリードに効率的にアプローチする体制を作りましょう。
3.リードオブジェクトの項目を設計
マーケティング領域でご紹介した揃えるべき項目のうち、
2. リード管理項目(例:リードステータスやネクストアクションなど)
3. インサイドヒアリング情報(例:予算・タイミング・課題など)
4. 活動履歴(例:通話/不在、サービスの紹介ができたか など)
について解説いたします。
3.1.必ず揃えたい!リード管理のための項目とは
先ほどはマーケティング領域でしたが、今回はインサイドセールス業務の視点からリードの詳細ページの揃えたい項目をご説明します。
① リード状況
リードの状況やステータスが一目でわかります。
②リード所有者
リードの対応担当者名です。対応者別にリードを管理するときに使う項目となります。
③ノンアポ理由・詳細
アポイントにならなかった理由を記載しています。
マーケティング部へのフィードバックにも活用できます。
④ ネクストアクション日・詳細
いつ・どのようなタイミングでアクションをするのか記載します。
3.2.確認漏れがないようヒアリング項目をリスト化
架電した担当者によって、確認事項に偏りがあったり、確認漏れが無いようにヒアリング項目をリスト化します。
フィールドセールスにとって欲しい情報を網羅し、引き継ぐための重要なリストとなります。
3.3.salesforceに全ての項目をリアルタイムで入力することを徹底!
この工程でのポイントは、とにかくsalesforceに全ての項目をリアルタイムで入力していくことです。
大前提として、インサイドセールス業務に関連するすべての情報(行動量・成果)がsalesforceに入っていて初めて、データとして集計・活用することができます。まずはリアルタイムでの入力を徹底することが最初の一歩目です。
4.架電
Sales Hacker「【定量調査結果】インサイドセールスを効果的に運用する為には?」より
米国インサイドセールスプロフェッショナル協会が実施した『インサイドセールスプロセスレポート,”The-Inside-Sales-Process-Report”』によると、「成長企業は、新規リードと接点を持ってから5分経たずに電話をしている割合が高い。全リードの50%超に対して5分経たないうちに電話できている企業の割合でみると、急成長企業では約40%(売上横ばい/減少企業の2倍以上の割合)。」というデータが出ています。
顧客が資料請求をしたタイミングが、一番課題感を持って情報収集をしているタイミングです。優先度が高い顧客に対しては、リード獲得から5分以内の架電を目標にしましょう。
4.1.営業トークの台本、トークスクリプトを作成
インサイドセールスは、対面の営業と異なりお客様に顔が見えない分、初コンタクト時のトークは非常に重要です。
架電をする際には、トップセールス直伝のトークスクリプトを用意しマニュアル化しましょう。
トークスクリプトを用意することで、トークのクオリティを安定させ、属人化を防ぐことができます。
【トーク例】 「弊社は、〇〇という会社になります。△△の資料をダウンロードいただきましてありがとうございました。その件で、今お電話よろしいでしょうか。」 経路別の課題聞き取りトーク(ホワイトペーパーダウンロードの場合) 「△△の資料をダウンロードをいただく方は、『サイトを運営しているけれど、なかなか流入が増えない』といった課題をお持ちの方が多くいらっしゃいます。 そのため、ご状況次第ではお役立ちできそうな追加資料のご紹介やご提案もできるかと思い、ご連絡させていただきました。 よろしければ、今回ダウンロードされたきっかけをお伺いできますでしょうか?」 相手が課題をあまり話してくれない場合 「サイト運営されている方のお悩みは、大きく2つに分かれるかと思います。 『〜〜〜〜〜』というケースか、『〜〜〜〜〜〜〜』ケースのどちらかに分かれることが多いのですが、御社の場合どちらに当てはまりそうでしょうか?」 |
5.リードリサイクル
営業で重要なのはニーズとタイミングです。
アポイントにつながらなかったリードへ、適切なタイミングで再アプローチをするリードリサイクルも大切です。
リードリサイクルには、
- ネクストアクションの管理
- セミナー案内用メールテンプレートの作成
といった対応を行います。
6.架電状況の把握と改善
ただやみくもに架電をして、アポイントにつながった顧客だけ報告をするという状況は好ましくありません。架電状況を正しく把握し改善するため、KPIや重要指標を確認するダッシュボードを用意しましょう。
- リードソース
- コンバージョンポイント
- 営業担当者
ごとにパフォーマンスを確認できます。
6.1.コネクト率、アポ率が低い場合
コネクト率やアポ率が低いという結果になる場合ももちろんあります。その場合は「ケース」と「対応策」をきちんとまとめましょう。
ケースと対応策のまとめ方の例をご紹介します。
●コネクト率が低い場合
ケース |
対応策 |
テレワークでオフィスにいない |
お問い合わせ時のフォームに、 「ご連絡がつきやすい電話番号をご記載ください」と記載する。 |
(不在時)受付の方に戻り時間を聞けていない |
戻り時間を必ず聞き、見込み管理を徹底する。 (カレンダーや見込み管理シート等を活用する) |
折り返し希望の連絡先を伝えられていない |
折り返し希望は必ず伝えることを徹底する。 5社に1社は折り返しが来るので必ず伝える。 |
ケース |
対応策 |
リードの質が悪い |
マーケチームとの連携が必要。 |
BANTがとれていない |
BANTなど、チームで定めたアポ条件がクリアできていないケースが考えられる。 改善策としては、「トークスクリプトの見直し」「関係構築後の再ヒアリング」などを行う。 また、マネージメントの担当者が定期的にメンバーの音声を聞きフィードバックしたり、ロープレをするなどの対策も実施する。 |
7.マーケティング部へ定量・定性情報をフィードバック
インサイドセールスとマーケティングチームとの連携のため、フィードバックを実施します。インサイドセールスの強みの1つは、マーケ担当者へ情報のフィードバックがしやすいことにあります。
7.1.定例ミーティングの実施
インサイドセールスの視点から見て、リードの質が低いと感じるのであれば、その理由と解決策をマーケティングチームへ共有します。広告の新訴求軸など、具体的な意見をあげられるとベストです。
7.2.リード獲得数〜営業数値をまとめたレポートの作成
マーケチームへのフィードバックにおいて、定性情報以外に定量情報も非常に重要です。
広告ごと、LPごとにリード数 〜 営業数値をレポートで確認できると、アポや受注に繋がりづらい広告は配信停止し、期待値の高い広告を回せるように運用することができます。
スプレッドシートやSFA内でデータを貯めてマーケ施策の良し悪しを定量的に判断できるレポートを作成しましょう。
フィールドセールス領域
最後に、フィールドセールス領域です。
商談から契約まで、最後のバトンを引き継ぐポジションとなります。
手順は以下の4つのステップです。
- ヨミ定義を決める
- 商談オブジェクト項目を設計
- salesforce運用の徹底!
- ダッシュボードやレポートを活用
1.ヨミ定義を決める
まずはフィールドセールスチーム内で、ヨミ定義を決めて共有します。
毎月の受注件数のヨミ精度を上げましょう。
Salesforce上でのヨミ管理については、後ほど詳しく説明します。
2.商談オブジェクト項目を設計
商談オブジェクトの設計のため、まず揃えるべき項目は以下の4つです。
商談の情報(例:会社名、アポ予定日)
ヨミ管理のための項目(例:商談フェーズ、完了予定日、案件化した日)
商談内容を記録する項目(例:フィールドセールス商談進捗)
活動履歴(例:初回商談、二回目商談)
各項目の入力について、詳しく解説していきます。
2.1.必ず揃えたい「商談情報の項目」とは
まずは商談情報の項目を揃えて、現状を整理しこれからのアクションの検討材料にしましょう。
①商談名・取引先名
商談する会社名の情報です。
② 商談所有者
商談担当者名が入ります。インサイドセールスが入力する項目です。
③ 初回商談予定日
アポイント予定日です。こちらもインサイドセールスが入力します。
④ 商談フェーズ
商談のヨミを8段階で表示し、管理する項目です。
2.3.商談内容の記録と活動履歴
商談内容の記録欄と、活動履歴の活用方法をご説明します。
⑨ 商談内容の記録欄
商談の経緯を記録することで、マネージャーや新人営業担当が、他の営業担当者の活動内容を把握することができます。属人化しない組織的な営業活動のため重要な項目です。
記載する内容の一例は以下です。
- 商談参加者
- 問い合わせ内容
- 事業内容
- 担当のミッション
- 目標
- 現状施策
- 選定基準/検討軸 など
⑩活動履歴
設定はマストではありませんが、誰が・何回商談をしたかを記録することができるため、営業担当者のリソース状況の把握にも活用できます。
3.salesforce運用の徹底!
マーケティング、インサイドセールスにも言えることですが、特にフィールドセールスにはsalesforce運用の徹底が求められます。
「手間だから後でsalesforceを更新しておこう……」という考えは絶対NGです。
日々の入力データがリアルタイムに更新されていなければ、レポートで見る営業数値と実態とで乖離が生まれ、意味の無いデータとなってしまいます。
しっかりとインサイドセールスがsalesforceに活動を入力をする徹底した体制を作りましょう。
体制作りのため、まずは守りたい4つのルールがあります。
チェック項目にしてチーム内で共有することをおすすめします。
□商談がとれたら当日中に商談化する!
□ヒアリングした内容はすべて記載されているか
□行動量を可視化できるように活動履歴が入力されているか
□リードが担当者別に管理されているか
salesforceを運用するうえで、よくある課題をご紹介します。
3.1.よくある課題①営業担当が全く入力をしない……
営業担当が全く入力をせず、salesforceが社内で機能していない……どうすれば運用を定着させられるでしょうか?
対策案:上長がsalesforceの数値しか見ないようにしましょう。
導入者が率先してSalesforceを利用し、既存スプレッドシートの運用を排除していく取り組みが必要です。
そのためには、上長がSalesforceの数値のみを見て行動量の評価や部の方針を決めていく評価体制にし、「入力されていない=成果としてカウントしない」という状態を作っていきましょう。なかなか入力を徹底できない場合は、朝会等の定例MTGで前日の入力分の確認をする方法もおすすめです。
3.2.よくある課題②人によって入力内容にばらつきがある
入力する体制は定着しましたが、人によって内容にばらつきがあります。どのように対応すればいいでしょうか?
対策案:Salesforceの項目で工夫しましょう。
各項目に、インフォメーションマークを設定することができるため、項目の記入方法や詳細の説明を表示させることができます。項目の意図が伝わっていないことが原因である場合はこのような工夫をしてみましょう。
入力項目が多すぎて負担となっていることが原因である場合は、項目の精査を行います。重複している項目や、不要な項目は削除しましょう。
4.ダッシュボードやレポートを活用
フィールドセールスにおける、ダッシュボードやレポートの活用方法をご紹介します。
①チーム全体のKPI・重要指標
当月の進捗確認のための項目です。営業日数とトレンドを一目で比較できます。
②営業担当者別ヨミ数
営業担当者(商談所有者)別にヨミを可視化することで、どのパイプラインからヨミを引き上げる必要があるのかを確認します。
③先半年のヨミ推移
翌月以降の各ヨミの件数を確認できます。
④ネクストアクション管理
適切なタイミングで顧客にアプローチできるように、当日対応が必要なアクションを一覧化します。未対応分はマネージャーがリマインドしましょう。
⑤受注理由/失注理由
受注理由と失注理由を積み上げグラフで整理したダッシュボードです。件数が少ないと得られる示唆は少なくなりますが、他の月と比較した異常値を発見することができます。
まとめ
Salesforceの活用方法を、3つの領域ごとに解説いたしました。
マーケティングとインサイドセールス、フィールドセールスがSalesforceで顧客情報を管理することによって、組織的に営業活動を行うことができます。
ただし、そのためには意識的にSalesforceへの入力を徹底するといった習慣付けと、ツールに対する理解が大切です。
この記事を読んで、Salesforceについて具体的な活用方法が見えてきたのではないでしょうか。
もっと詳しく知りたい、さらに活用したい領域があるという方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。